セックスワーカーにも保障を-枝野幸男「立憲民主党」代表が「経済政策」発表で言明

枝野幸男「立憲民主党」代表は9月27日、衆議院内で会見し、「経済政策」について、発表した。

分かち合い、支え合う社会

「#政権取ってこれをやる」を順次発表させていただいていますが、きょうはバージョン6であります。「分配なくして成長なし!みんなを幸せにする経済政策」として5項目を発表させていただきます。
全体として経済にかかわる話をまとめて発表させていただきますが、1番と、2番から5番までは、若干というかかなり性格が違います。現下のコロナ禍という50年に一度、100年に一度という特殊状況のもとでの時限的な措置、これが1番であります。そして、(新型)コロナを乗り越えた後でつくり上げていく社会、その中での経済という意味で2番から5番ということになります。
その1点目、このコロナ禍における経済運営として、もちろん事業継続が困難な皆さんに対する、いわゆる「補償はセット」というこの場で申し上げてきている政策に加えて、大きな経済と暮らしの傷みに対する対策として「1.時限的な減税と給付金」を実現したいと思っています。
一つに、年収1000万円程度までの方に対して所得税を実質免除するとともに、所得税を納めておられない方、あるいは所得税の税額そのものが少ないために免除を受けてもそれがわずかにとどまる方、こうした方については給付金の支給をするということで、全体として中間層まで含めて生活の傷みというものにしっかりと手当てをし、そのことによって消費を喚起し経済を回していきたいと思っております。全て給付金でという考え方もあるかもしれませんが、これはこの間に緊急対策として申し上げている困窮層に対する支援や持続化給付金などもそうでありますが、できるだけ適切なタイミングで事務的な処理等もスムースに迅速に行わなければならないということを考えると、多くの皆さんについて税の実質免除という形が最も行政事務が少なく迅速に行える。それでは対応し切れない方に対して給付金を行うという形で、迅速な対応を進めてまいりたいと思っています。

みんなを幸せにする経済

二つ目には、従来から申し上げておりますとおり、いわゆる当たり前の日常が一定取り戻されつつある状況のタイミングを見ながら、時限的な5%の消費税減税を実施したいと思っております。これは一定程度当たり前の日常が戻ってくるタイミングで行いたいと思っています。現状ですぐに行うと何が起きるかといえば、いわゆる巣ごもり需要を初めとして、コロナ禍においても消費が可能な部分のところにその恩恵が行ってしまいます。飲食、観光、文化、イベントを初めとして、この間コロナの影響で消費したくてもできなかった部分。これもおそらく当たり前の日常が取り戻される当初は、この間の反動として「安全・安心であるならば」ということで一気に需要が急増することが、どこかのタイミングで実現をしなければならない、実現したいと思っていますが、それが一定程度続きませんと、もう間もなく2年になる関連業種の経営上の傷みというものを補うことはできません。「Go To」キャンペーンに見られるような、需要が回復期にもないのに膨大な金を使うというような、また、富裕層などにその恩恵が行く、大きな企業等に恩恵が行くというやり方ではなくて、幅広く、しかし薄く、一定の期間、この間我慢せざるを得なかった消費に対して一定の政府としての支援があるという状況をつくっていきたいと思っています。
2番目以降が、このコロナ禍における特殊な事情以外の、我々として目指していく経済社会、まさに「分配なくして成長なし」ということであります。既にもう街頭演説等で私のここのところの説明はたくさん聞いていらっしゃる方はいると思いますが、とにかく我が国の不況は国内における消費の低迷が根本的な問題であるということは何度も繰り返しているとおりであります。輸出も、大変厳しい競争の中で苦しんでおりますが、バブル崩壊以降の約30年近くを見ても、もちろん東日本大震災、コロナ、あるいはリーマンショックという変動はありますが、他の先進国と比べて輸出が日本だけ著しく低いということは全くありません。そういった意味で日本の輸出産業は頑張っています。決定的に先進国の中で日本がだめなのは、国内の消費であります。したがって、経済を立て直すには国内消費を伸ばす、これが本質であります。にもかかわらず、いわゆるアベノミクスは強い者をより強くし、安くていい物やサービスをいかに供給するかという、サプライサイドに偏った政策を打ってきました。安くてという部分でむしろ消費者の購買力を引き下げる政策をやってきたアベノミクスは全く実態とは逆のことをやってきたし、結果的に株(価)が上がっただけで実体経済をよくすることは全くできなかったと思っております。したがって、格差の是正と、そして老後や子育て、雇用などの安心を高めること。そのことによって、消費できる購買力、そして消費できる安心を(高めること)。これが何よりもの経済政策であり、そのためには、経済成長のためにはまず分配を適切に行わなければならないと確信しています。

ベーシック・サービスの充実

そのために、まず「2.生きていく上で不可欠なベーシック・サービスの充実」を図ってまいります。医療、介護、子育て、教育分野など、老後や子育ての不安を小さくするためにサービスの量・質、そして、それをいわゆる窓口負担をいかに所得に応じて適正な範囲に抑えるか、あるいは負担能力のある方には負担していただくかということまで含めて、生きていく上での不可欠なベーシック・サービスをどなたでもしっかりと受けられる、そのための予算の重点配分を行います。
次に、「3.雇用の安定と賃金の底上げ」であります。賃金の底上げという意味では、医療、介護、子育て、教育などの、特に非正規(雇用)の皆さん。ここは直ちに政治の意思で賃金の底上げが図れます。いずれも、こうした皆さんの賃金は政治が決めています。予算配分をしない限りは、例えば保育所は原則無償化している、全額公費でありますから、この方々の人件費総額は政治が決めていますので、人件費総額をふやさない限りはこうした皆さんの、希望する方を非正規から正規へ、そして賃金を底上げすることは不可能です。そうしたことを2番との関連で進めていくと同時に、同一価値労働同一賃金を法制化いたします。
また、最低賃金時給1500円を将来的な目標に、実現します。これについては地域の偏在状況、どういう段取りでどう正していくのかということはかなり緻密な丁寧な段取りが必要だと思っています。また一方で、このコロナ禍において、特に飲食や観光など、今すぐに最低賃金を上げられるとコロナの影響がダブルパンチを受けるというような声もありますので、状況をしっかりと見据えながら、特に中小・零細企業、あるいはコロナ禍で影響を受けている企業に対する支援をしっかりとセットにしながら進めてまいります。
また、これも段階的に進めていかなければなりませんが、派遣法などを見直して、希望すれば正社員で働けるという社会。30年前には当たり前だったと思っています。そうした社会に、30年かけて壊されていったものを、30年はかけ過ぎですが、3年、5年、10年と、段階的に着実に戻していきたいと思っています。

中長期的ビジョン

4番目として、「4.中長期的な研究・開発力の強化」であります。ポイントは「中長期的な」であります。この間のいわゆるアベノミクスのもと、自民党は、目先の金になるところ、金になりそうなところに、いわゆる競争的資金などを重点配分すると称してやってきました。結果は何か。日本の研究・開発力の裾野と、ベース、土台自体が壊されてきました。そして、政治がコミットして金になりそうなところを選択して配分しても、その選択自体が必ずしも適正ではない。そもそも、もうかるところを選ぶ能力があったら初めから政治家や役人ではなくて経済人になっていると思います。政治の役割は、目先金にならないかもしれないけれども、我が国の研究・開発、技術力を中長期的に強化していく上で必要不可欠な研究・開発力、その基盤にしっかりとお金を注いでいくことであります。いわゆるポスドクの問題、あるいは国公立大学に対する運営費交付金の問題などを初めとして、目先の金もうけ一辺倒でゆがんでしまった研究・開発力の強化を、その中身も、そして量も、転換をしてまいりたいと思っています。

法人税・所得税の累進性強化

最後に、財源。特に2番から4番までについての財源であります。富裕層や超大企業への優遇税制の是正によって所得再分配の強化を図ります。
法人税は、必要な政策減税、これは今後も政策手段として大事だと思っておりますが、そうしたものは残した上で、累進税率を導入いたします。現状、アベノミクス検証委員会の報告でも皆さんにお示ししたとおり、超大企業の法人税負担率は小規模企業とほぼ一緒、中堅企業よりも圧倒的に低いという、非常にゆがんだ構造になっています。これを正します。
それから、所得税の最高税率を引き上げます。分厚い中間層に対しては、現状細ってきたとはいえ中間層に対しては一定の税制的な支援を続けるべきだと思いますが、富裕層に対する所得税は、現下の格差の拡大とそれによる消費の低迷、結果的に長期的には富裕層の皆さんの暮らしも脅かすということをご理解いただいて、応分の負担をお願い申し上げます。
特に、株の売買、配当利益などに対する金融所得課税を強化いたします。これも既に何度かお伝えしているとおり、日本の個人所得税は年収1億円を超えると実際の負担率が低下していくという傾向にあります。急激に低下します。その原因は、富裕層ほど、いわゆる勤労所得や事業所得ではなく配当所得、金融所得課税の対象になる所得の比率が圧倒的に多くなる。ここが原則20%という、富裕層にとっては圧倒的に低い税率であるというゆがみは、これは変えざるを得ないと思っております。  以上、経済政策はあらゆるところに我々の考え方では及んでおります。これまで申し上げてきた、地域を元気にする政策であるとか、医療や介護などの安心を高める政策、さまざまなものが経済につながっていきますが、経済という切り口から改めて我々の政策全体を整理して発表させていただきました。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

株式所得の課税強化を

【「フランス10」・及川記者】
きのうの朝日新聞で、金融所得に対する課税を強化すれば二つ懸念があり、一つは株価が下がる、もう一つは大金持ちが海外に逃避してしまうと。この意見についてはどう反論されるか。

【代表】
まず、この間、株価はそれは安いより高いほうがいいですが、株価は上がっても実体経済はよくならないし、ほとんどの国民の暮らしはよくならずに、したがって暮らし向きが悪くなってきている人がたくさんいるという状況の中で、株価を高くすればいいという政策はそもそもとりません。実体経済を反映して結果的に株価が上がってくるという、本来の株式の機能、株式市場の機能を取り戻していく。もちろん株価の変動が金融全体に影響を与えるというようなことについては配慮しなければなりませんが、株価を維持するためにゆがんだ税制を放置するという考え方は、そもそもとりません。
二つ目ですが、よく言われるのですが、では本当に租税回避ができる方が日本の富裕層の中にどの程度いらっしゃるのかということについて、どなたも、実証的なことをおっしゃった方はいらっしゃいません。私は、日本の富裕層も、一定の基準に基づいて、公平・公正な課税で、社会全体、日本全体のことを考えてご理解をいただけると思っておりますし、さらに申し上げれば、国際的な課税についての連携であるとか、また、あまりそのことによって形式的に所得税逃れをするという方が多く出るという状況であるならば、それに対しての対応は今から想定・準備をしています。

セックスワーカーの保障を

【「フランス10」・及川記者】
ちょっと専門的な話になるが、フランスで買春が禁止されたのが2016年で、ヨーロッパでは2番目の国だった。日本でもコロナによって結局セックスワークがセーフティーネットになっているということは、これは廃止派の人も権利を守ろう派の人も共通認識である。フランスでも、社会党は推進、緑の党は反対と、リベラルでも分かれた。枝野さんの、セックスワークに対する考え方、セックスワーカーの権利に対する考え方を伺いたい。

【代表】
中長期的には一定の議論が必要だと思っていますが、まず足元では、このコロナに対するさまざまな支援がセックスワーカーの皆さんには対象になっていないという、そういう支援がほとんどであるというか、ほぼ全部と言っていいと思います。これは明らかに間違っているし、ゆがんでいると思っています。違法な収益の出方でない方については、社会的にいろいろな評価のある働き方であったとしても、このコロナによる支援はしっかりと行うべきであると思っています。

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