人間の欲望に翻弄される命たち。【命はインテリアか?】ボトル詰めにされたカクレクマノミ

夏向けのインテリアが店頭に並ぶ季節である。
その中に、ボトル詰めの生きたカクレクマノミを見つけ、仰天した。
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カクレクマノミは海水魚だ。ボトル詰めで飼育できるほど簡単なものではない。きちんとした設備が必要だ。濾過装置、ブクブク、ヒーター、換えの人工海水、良質の餌、大量の飼育水、いろんなものが必要である。それにこの魚は幼魚だ。仮に飼育がうまくいったとしても、いずれ大きくなる。ちゃんとした水槽で飼育しなければいけない。
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以前、ミドリフグがやはり瓶詰めにされUFOキャッチャーの景品になり、命をなんだと思っているんだと、アクアリストの間では話題になった。また同じことが繰り返されている。
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命はインテリアではない。
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もしもあなたが、狭い部屋に閉じ込められ、空気の入れ替えも行われず、空調もなく、ご飯もちゃんともらえず、人間の尊厳を失われた扱いをされたとしたら?
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この売場には、サカサクラゲの瓶詰めもあった。いずれも机の上に置いて水族館気取りということだろうか。
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人間の勝手な欲望に振り回される命たち。せめて、知識ある人に買われていくことを願うしかない。それか、同じ売場にあった、本物の生き物によく似たフィギュアのガチャポンでもやっていればいいのだ。インテリアならそれで十分である。

(西村晴子・特派員のレポート)

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