ロスジェネ世代を救済せよー増子輝彦「民進党」幹事長、定例会見 by 酒井佑人

2018年4月9日、「民進党」増子輝彦幹事長による記者会見が行われた。

■冒頭発言

新党結党に向けた党首会談について

【増子幹事長】

福島は今、桜が満開でありまして、久しぶりに週末2日ほど地元福島に戻ってまいりました。
「桜の咲くころ」、まさにこういう状況で、今私どもとしてもしっかりと、きょう、希望の党が分党協議を開始することを決定して14時から議員懇談会が開かれておりますので、それを待って、私どもとしてはその後、私どもの大塚代表と玉木代表との党首会談が開ければということで予定しております。
その上で、新党協議会をきょうじゅうに立ち上げられればということで、両代表の党首会談の中で幾つかのことが決まってくるのではないだろうかと思っておりますが、いずれにしても希望の党の議員懇談会終了後、そしてご案内のとおり決算委員会がテレビ入りの審議が今行われておりますので、この終了予定時間が17時と聞いておりますので、これが終わった後にそのような形になればと思っているところでございます。

参院決算委員会 自衛隊日報隠蔽問題・森友口裏合わせ問題等について

【増子幹事長】

そしてきょう、この決算委員会、我が党では大島九州男議員、さらに藤田幸久議員、そして小西洋之議員の3人が質問に立たせていただきました。
その中で幾つかの点がまた、他の党の方も入れながら、いろいろと出てまいりましたが、ご案内のとおり、今は行政が一体どういうふうになってしまっているんだろうということで、私どもとしても民主主義の崩壊につながってしまうような状況ということを大変危惧しておりますし、立法府が行政にないがしろにされているということもあわせながら、今回また幾つかの問題点がここで明らかになってきたわけであります。
イラク日報。既に皆さんご案内のとおり、昨年2月の当時の稲田防衛大臣がイラクの日報の探索を指示していましたが、その当時は明らかになりませんでしたが、これが明らかになったということ。
そしてきょう、これは若松議員だったと思いますが、ここでもさらに南スーダン日報の新たなものが出てきたということを実は小野寺防衛大臣がそこで明らかにし、陳謝したということが出てまいりました。
さらに森友問題では、ご案内のとおり、さまざまな文書改ざんに加えて、森友側に財務省が、ダンプ4000台近くのごみ処理をするということについて、そのようなことがあったというふうに口裏合わせをしてほしいという要請をしたこと。先週の段階では、まだ調査中でわかりませんということでしたが、きょう太田理財局長が、そういう事実があったということを認めたわけであります。本当に次から次へとこういう問題が出てくるものだなあ、というふうに思っているわけでございます。
これに関して、先週、公明党の山口代表が昭恵夫人に対して、「『李下に冠を正さず』ということをわきまえ行動を慎むべきだ」とお話しされたと聞いておりますが、「李下に冠を正さず」の前に「瓜田に履を納れず」ということが対句としてあるわけです。まさに足元をしっかりと見ていかなければいけない。そして、その足元の中で、もうこれは私から何も言う必要はありませんが、「瓜田に履を納れず」ということはまさに「李下に冠を正さず」と同じように、人に疑われるような行為は慎むべきだということでありますから。私からは、安倍総理、そして昭恵夫人ともども、この二つの言葉をしっかり肝に銘じてこれからの行動をしっかりと慎んでいっていただかなければなりませんし、また今までの反省も含めてしっかりとした対応をしてほしい。
やはり闇に葬られるようなさまざまな問題、あるいは公文書が改ざんされ隠蔽されるという問題等含めて、ここは内閣総理大臣としてしっかりと行動していただかなければならない。引き続きこの問題についてはしっかりと、真相解明のために国会を通して明らかにしていきたいと私どもも思っているところです。

京都府知事選挙 推薦候補の当選について

【増子幹事長】

昨日行われました京都府知事選挙の件ですが、私どもも推薦させていただきました西脇隆俊さんが見事当選されました。
同時に、よく票の中身を分析してみると、私どもにとっても「これはしっかりしていかなければいけないな」という思いを持っています。出口調査の結果はなかなか微妙なものを私たちに示しているのだろうなと。私ども民進の支持者の半数近くが相手候補に投票したという出口調査。立憲さんも(支持層の)6割が西脇さんではなくて相手候補の福山氏に投票したというこの事実関係。こういったことを、今後我々が党活動の中で推薦あるいは支持をしたときに、しっかりと我々の党が推薦・支持候補に対して投票行為が一体となってできるようにしていかなければいけないと私自身は思っていますので、この京都の知事選挙をよく顧みながら、党としての態勢も構築していかなければいけないと思っております。

世論調査の結果について

【増子幹事長】

あわせて、一部の世論調査の結果も出ていますが、改めて安倍内閣に対しては厳しい数字が出ていることも我々よく見きわめながら今後の対応もしていかなければいけない。
当然、政党支持率も依然として低迷しているという中で、我々も反省をしながら、しっかりとこれからの党のあり方、そして国民の皆さんに信頼されるように、支持率が上がるように、この新しい党に移行する中でさまざまな努力をしていくことを考えていきたいと思っております。

大谷選手の大リーグでの活躍について

【増子幹事長】

きょう私からの最後は、やはりけさ5時から私も大リーグ、大谷翔平選手の活躍を見ました。先週も申し上げましたが、大変な活躍でうれしいのと同時に、きょうは一時は完全試合をするのではないかという期待を込めながらずっと見ておりました。残念ながら完全試合には至りませんでしたが、すばらしい結果が出たことをうれしく思いながら、細田さんではありませんが、これからまた毎朝こういう試合があると起きて大谷選手の活躍を見なければいけないなと。そんな強い思いをしながら、今後の活躍を期待しているところでございます。
イチロー選手も、あれだけの年季の中で、お年の中で頑張っている姿もやはりすばらしいなと。
前に申し上げましたが、甲子園を目指した野球少年だった私にとっても胸がワクワクドキドキするような活躍ですので、今後ともそれぞれの日本選手の活躍をしっかりと受けとめていきたい。
ただ、一つ心配になるのは、日本選手があまり活躍しますと、トランプさんが「輸入規制」をするのではないかと。日本選手にあまり活躍の場ができてくると、まさにこういう面で日本選手はノーだ、輸入禁止だというようなことになりはしないかと少し危惧しながら、いずれにしても活躍を期待していきたいと思っております。

ロスジェネ世代の救済について

【France10、及川編集長】

経済政策について2点伺いたい。
まずロストジェネレーション世代のことだが、2017年の労働力調査によると、35歳から44歳の非正規雇用率は28.6%。男女別で見ると、男性9.2%に対して女性は52.5%と5倍もの差がある。また、非正規雇用の人の平均年収は、2016年の国税庁調査によると172万円と、あまりにも低い。さらに非正規女性に限ると、その額は148万円となる。このロストジェネレーションの人たちの雇用対策をどうしていくのかが一点。
もう一つが財政再建について。今、国債が1000兆円、赤字があると言われているが、その内400兆円は日銀が持っている。財政再建は民進党としてどのような位置づけなのか伺いたい。

【増子幹事長】

いつも詳しい数字を出していただいてありがとうございます。
ロストジェネレーション、まさにここが最も我が国にとって、将来に向けて大事な世代であることは言うまでもありません。これらの皆さんがそれぞれ職を持たないということは、日本経済、日本の国力、活力が失われるという、実は最大の問題になってくるわけです。
私どもも今回ようやく閣議決定されました「働き方改革」というものも踏まえながら、ロストジェネレーションがしっかりと職を得ること。そして非正規・正規を含めて、格差をなくすこと。そして男女の格差も、ある意味では当然なくしていかなければいけないということを踏まえながら、これからの最大の問題の一つという強い意識・認識を持ちながら、我々としても、将来最も大事なボリュームゾーンとしてこの世代が日本の活力になっていただかなければなりませんので、こういう格差も含めながら是正するために、具体的にそれぞれの成長も含めて、党を挙げてこの問題をしっかりやっていくこと。これがまた我々の政党の支持率を引き上げていくことの大きな要素になってくるのだろうと思います。
それでなくとも今、我が党の支持母体の年齢階層を見ると、60代・70代が一番高い支持層になっています。10代・20代が一番低いということになっていますから、ここのところをしっかりと意識しながら、そのちょうど中間にあるロストジェネレーション世代の皆さんとの連携をしっかりと図りながら、今申し上げたような形で、雇用と経済と社会と、そして将来の高齢社会に対応するためのビジョン・政策をつくり上げていくために全力で取り組んでまいりたいと思っています。
財政再建、まさにこれはアベノミクスがプライマリーバランスを事実上放棄したという問題も含めて、財政再建は後世にツケを回すわけにはまいりません。このことについても我々としても、経済はもう高度経済成長は無理ですから、低成長の中でどのような形の中で満足度の高い経済社会をつくり上げていくかということ。その上で、財政再建は喫緊の課題だと思っておりますので、我々としては財政再建にしっかりと取り組んでいきたい。
後世に、まさに子孫にこの負の遺産、借金を残すわけにはまいりませんので、党としては財政再建は基本的に最も重要な政策課題、経済財政の課題だと思っておりますので、これにも責任を持ってしっかりと取り組んでいきたいと思っています。

取材&文:酒井佑人(ゲイレポーター)

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