小沢 一郎 「真実は分かるんだよ。 国民は,ちゃあんと見てるよ」ー小沢一郎&山本太郎「自由党」代表、定例会見

【 記者質疑 】
NHK ; 加計学園の問題。 昨日,愛媛県から新たな文書が明らかになった。 3年前の2月末に安倍総理大臣が加計理事長と会って,獣医学部の構想について話を聞いていたという記録が発表された。 総理は,本会議でも,その面会自体を否定していて,真っ向から主張が食い違っている。 こうした事態をどのようにご覧になっているか。 また,野党としてどのように対応されていかれるか。

小沢 一郎 代表
 この「加計問題」はね,「森友」でもそうですけれどもね,総理はじめ総理周辺の人,皆,否定して 「知りません。存じません」。 知らぬ存ぜぬでとおしてますけれどもね,事実は次々と明らかになってきて,今度の場合は(愛媛)県当局がね,きちんと知事の責任で発表したこと,表に出したことですからね。 そんなウソをね,わざわざ言う必要はないんで。
 あまりにも総理,官邸周辺が,それこそウソを言っているので,多分,義憤を感じ,あるいは愛媛県としては自分たち自身が不正な行為に関与したと思われるのもイヤだろうし。
 いずれにしても事実はこうだちゅうのは,間違いない事実なんだろうと思います。
 そして,総理が否定するちゅうことになると,さあどうするかっちゅうことですよね。
 これはやはり野党としての対応,それからメディアを含めた国民の対応如何によるだろうと思いますけれども,どっちにしろ 真実をはっきりさせるべきだろうと思います。

THE PRESS JAPAN ; 両代表に。 この(事態の)中で,国会ではさまざまな重要法案が目白押しです。 野党として「加計問題」と重要法案をどのようにして対応していくのかが,とても重要だと思うが,そうすると野党共闘の問題も出てくると思う。 いかがでしょうか。

小沢 一郎 代表
 何でそんなに重要な問題ある?
 「加計問題」,「森友問題」に勝るような重要な問題はないんじゃないの。

THE PRESS JAPAN ; TPPとか。

小沢 一郎 代表
 TPPは,僕らには 全然 重要じゃない。
 あれは,よろしくないと。 国民にとってよろしくない,日本にとってよろしくないという内容を含んだものですし。

THE PRESS JAPAN ; 「働き方改革関連法案」は。

小沢 一郎 代表
 あれもまた,おかしな話ですし。
 IRだっけ,「カジノ法案」も(おかしい)。 僕は賭け事そのものを,そんなに特別扱いする必要はないと思ってますけれども,あの法案についてはちょっと,中身については私は賛成できませんし。
 どっちにしろ,そんな本質的,基本的な問題はない。
 やはり,権力,驕気権力と,権力のあり方,安倍さんの権力の私物化,これのほうがよっぽど民主主義社会,政治にとって大事なことだと思いますので,それは野党もきちんと認識を統一して,これに対処すべきだと思います。

山本 太郎 代表
 ありがとうございます。 今,小沢代表が言われたとおり,国の根幹っていう部分に係わる問題ですから,「加計」にしても「森友」にしてもですね。 その他の問題もそうですが,そちらの白黒をはっきりさせるということは非常に重要であると。
 それ以外の「重要法案」と言われているものは,政府にとっての重要で,人びとにとっての重要というのは,まったく違うと思うんですね。 政府にとっては,いろんな利権だったり利害だったりという意味で重要であると。
 人びとにとっては,命をおびやかすほどの「重要法案」であるというような形になるので,おそらく,採決してる場合じゃないと。
 どちらかと言うともう,委員会室前に皆が集合して,委員会を前に進めないというようなことが,おそらく「働き方」いわゆる過労死法案ですよね。 IR,TPP,PFI,地方創成を名乗りながらのお仲間へのバラマキの準備法案だったりとか,ろくなものは1つもないですから。 そう考えたら,今,国会が事実上止まったとしても,国民生活にとっては逆に助けにしかならないっていう局面だと思ってます。

ゲイレポーター酒井佑人; 両代表に。 アメリカン・フットボールの試合で反則行為をした日大選手は記者会見で,監督からの指示があったと説明しているが,学生である選手に謝罪させて 監督は一切会見には出てこないという現状について,安倍政権の「森友問題」と同じではないかと僕は思う。 いかがでしょうか。

山本 太郎 代表
 (上が責任取らないことは)よく似た問題だなとは思います。 結局,汚れ仕事をさせておいて,その責任は自分たちは取らないでいい というような意味では,スタンスは非常に似てる部分あるかなと思います。
 ただ,今日 記者会見に応じたという当事者の学生さん,彼の身を守る意味でも これからの人生ということを考えたとしても,記者会見に応じたということは1つプラスの部分ではないかなと思います。 そういう大人たちが,まるで自分たちは何も係わっていないという既成事実を作られて終わるよりも,確実にそういうことを命令されたから逆らえなかったんだっていうような弁明の場があったっていうのは,私から見ると,そういう場面も必要だったのかもしれないなあというふうに思ったりもするんですけれども。

小沢 一郎 代表
 <山本代表に>(反則を)やったほうが会見したの? ああそう。 ほおお。

読売新聞 ; 小沢共同代表に。「加計問題」について野党は非常に長く追及を続けているが,これだけ不祥事が,疑惑が,山積している中で,それでも内閣は支持率を一定程度保っており3割前後を推移している。 野党が追い込めていないことは 野党側に責任があるという指摘もある。 野党の戦略の拙さ,どうご覧になっていますか。もっとここをこうしたら攻められるのではないかという お考えは。

小沢 一郎 代表
 それは野党側にこの問題を追及する迫力が,力が,エネルギーが,不足しているということは事実だろうね。 ま,野党とメディアかな,多分。
 これだけの重大問題なのに。 権力の私物化という。
 大したことじゃないみたいな感覚で扱ってる手合いが多い。
 僕はそういう意味でね,野党の追及,力なりエネルギーが不足してるということはもちろんそのとおりだけれども,あとは受け取るほうの,メディアはじめ国民の意識の問題でもある。

 支持率のことはねえ,大した問題じゃないんだ。 要するに自民党政権に替わる集団ができてないから。 それでやっぱり権力に就いているから。
 そうだったよ,2009年の前だって,自民党の支持うんと多かったよ。調べてごらん,うん。
 だけど,選挙して(政権が)替わったよ。

 国民の皆さんの現状に対する不満やなんかは,日本人ちゅうのはあまり表立って意見表明しないけどね,非常に大きいものが,僕はあると思うよ。
 だから,安倍政権下でものすごくいい思いした人はいるだろうけれど,それは一部でしかなくて,大多数の人はいろんな自分の人生の不安や,生活の不安や,いろんなものを抱えて。 ただまあ,今飢え死にする状況ではまだないから,日本は。
 意外と内向して黙っているけれども,非常に僕は批判,不満は,潜在的にマグマはどんどん大きくなっていると思う。
 だから野党がほんとに1つになって力を合わせたら,絶対,国民の支持は圧倒的に来ると,いつも言ってるとおりだと,私は思ってる。

読売新聞 ; 野党が結集するべきだというご指摘ですが,過去2回の非自民政権の樹立に大きく力を尽くされた小沢共同代表に対して,立憲民主,国民民主の両党内からも,そのお知恵を借りたいと,期待する声も出ている。 野党結集にはやはり小沢先生のお力が必要なのではないかという声も聞かれるが,参院選に向けてどう動かれるおつもりかを。

小沢 一郎 代表
 どうってことないですよ。 僕は,野党結集して,そして政権交代する。
 議会制民主主義のあるべき理想の姿にもっていくというのが,僕の政治家としての最大の目標ですから。
 ですから今でもまだ遅くない。 もっともっと早くできたはずだけど,まあとにかく今でも遅くない。 ということで,もし私にできることあれば何でもやります。

共同通信 ; 小沢代表が「加計問題」について真実をはっきりさせるべきだと仰ったが,真実のはっきりさせ方について,立憲民主党で今日の本会議で,加計孝太郎理事長の参考人招致をすべきだという話もあった。 どういう形で真実をはっきりさせるのが良いとお考えでしょうか。

小沢 一郎 代表
 参考人だけじゃない。 証人喚問も言ったんじゃない? 何とかと何とかの証人喚問と何とかの参考人つったよ。 〔 加計孝太郎理事長と 柳瀬唯夫・元首相秘書官(現・経済産業審議官)の証人喚問。 中村時広・愛媛県知事の参考人招致 〕
 それは,ぜひやるべきだと。 だけど政府=自民党がイヤだっちゅうだろうから,じゃあ どうするっちゅう話だな。
 そこをやっぱり,ただ言いっ放しでは実現できっこないんだから。 そこを考えたほうがいいだろうと思うね。 うん。

THE PRESS JAPAN ; 小沢代表は,安倍内閣不信任案についてどのようにお考えでしょうか。 山本代表は問責決議案についてどのようにお考えでしょうか。

小沢 一郎 代表
 不信任案をただ出したって,否決されちゃうわな。 それが安倍さんや自民党が 「信任だ,信任だ」 っていう結果に終わっちゃう。
 だから不信任案を出すなら出すで,それまでの間に結果が出るような方法を考えなくちゃいけない。 どういう方法かは,それはまあ野党第1党はじめ,あの人たちが一番先に考えて皆を引っ張っていくということじゃないといけないと思うけれども。
 まあまあ,ほんとにやりきれば,安倍さんは辞めざるを得ないと僕は思ってるよ,ずっと前から。
 さっき読売の人か,野党の力が云々ちゅう話したけど,それも大いにあるよ。   

THE PRESS JAPAN ; 枝野代表は最初から不信任案の提出を強調されているような感じがするが,いかがですか。

小沢 一郎 代表
 不信任案,だから出すのはいいよ。 出すのは良いけど,ただ出して終わっちゃ,しょうがないわね。
 55年体制でも,必ず会期末に不信任案,社会党が出したもんだよ。 だけども何の意味もない。 それだけならば,だよ。

 これだけもう,誰が見たって,安倍さんがやったことだよ。 安倍さんがいくら 「やんない,やんない。知らない」 って言えば言うほど,おかしい話だよね,これね。 今の状況は。
 さっき言ったように,何で県がウソ吐かなきゃなんないの。 そうでしょ。 何の得もないでしょ。 時の権力とケンカしてウソ吐いてなんつったら。
 それはやっぱり,あまりにもおかしいということでもって,知事はじめ愛媛県が決断して,真実を明かそうということになったわけでしょ。
 もう大多数の人はもう皆分かってるんじゃないかな,国民も。 と思うよ,ここまで来れば。
 だからあとは国民のそういう気持ちを,きちんと分かって,そしてなおかつ じゃあどうすりゃいいかっつう話になるわな。 うん。

NHK ; 連休前に野党が国会で審議拒否に入る前に,問題が山積しているのもかかわらず何となくスルスル国会が動いているように国民からは見えてしまうというご指摘がありました。 今も野党側は,加計さん,柳瀬さんはじめ,証人喚問,参考人招致を求めているが,与党側は応じるとは思えない状況の中で,重要法案が今週中にも TPP然り,「働き方」然り,どんどん委員会採決が行われていく流れになっている。
 審議拒否に対する不安感みたいなものも野党内にあって,見ているとスルスルと国会が進んでいくような状況になりつつある。 こうした場合に,小沢代表としてはどのようなアドヴァイスを,あるいはどのような戦術で臨んでいかれるかを。

小沢 一郎 代表
 まあ君らは審議拒否,審議拒否と言うから,すぐ皆ビクビクしちゃうんだけど,(野党の)審議拒否じゃない。
 向こうはもう,事実を隠して,何も関係ないような顔して過ごそうと思ってるわけですから。
 そんなウソばっかり吐いてるやつとは,議論が成り立たない。

 だから,はっきり事実関係をお互いに認め合いながら,その上でもって議論ちゅうのは成り立つんで。 「知らぬ,存ぜぬ」 だけじゃ,議論にならない。
 審議拒否じゃない。
 全然,審議に応じようとしないちゅうのは,安倍さん以下政府のほうだと。

 だから何もビビることないんですよ。うん。

 政権をね 倒して獲った,2度あったけども,その間でもね,いろいろ院内闘争もね,やりましたよ。 やったけど,それによって別に国民の批判を受けてダメになったかっちゅうと,結果はそうじゃないんだよ。

 今だと,君の言うように何となく野党の存在がなくて,あるいは野党がそれを良として審議がずっと進んでるみたいな話しか伝わんないでしょ。
 何やってるんだろうな,っていう感じになっちゃうんじゃないかな。

 本来,議院内閣制ではね,立法府=国会ちゅうのは,主として野党の政府追及の場なんだけれども。
 そこをやっぱり国民に分かるようなことをやらないと。

 此間,委員会や国会の審議に,これじゃあ応じられないと言ったときも..<山本代表に> 何かあったかなあ? 何となく出ないちゅうわけだな。

山本 太郎 代表
 審議拒否に関してはけっこうマスコミも,どうして出て来ないんだっていう...

小沢 一郎 代表
 マスコミの言うことなんか,気にすることないっちゅうんだよ,俺は。

山本 太郎 代表
 <大笑>わはっはっはっは。 すいませんね。

小沢 一郎 代表
 そんなことしてたら,俺なんか今,生存してらんないよ。

山本 太郎 代表
 <大笑> はっはっはっはっ。 ほんとですね。 はっはっはっ。

小沢 一郎 代表
 それは,真実は述べるべきなんだよ,何でも。  誰が何を言おうが。
 それは,国民は分かるよ。
 僕も,地元の人は分かってくれるから当選してる。
 メディアの言うとおりだったら,疾うに落選だよ,俺。
 だから,真実は分かるんだよ。 国民はちゃあんと見てるよ。
 そんなね,安倍政権のね,どうのこうの(と言う)体制派の意見にね,ビクビクすることないんだ。
 野党はやっぱり,ある意味で権力闘争だからね。政権の争奪ちゅうのは。 だからそこはきちんと国民に分かるような闘争の仕方をしないとだめだ。 私はそう思います。 そこのあれがちょっと希薄なんじゃないかな。

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