ワリード=シアム駐日パレスチナ大使がイスラエルによる70年の軍事占領に苦しめられたパレスチナの歴史を語る

ガザでの悲劇がつづく中、ワリード・シアム駐日パレスチナ大使が7月23日、日本外国特派員協会で記者会見を催し、パレスチナの置かれている状況について説明した。

自衛の名のもとにパレスチナを総攻撃

70年に渡りパレスチナを占領し、「自衛」と言って強靭な軍隊でガザを攻撃してなお「被害者」を演じるイスラエルを「彼は僕を叩き、そして僕の目の前で文句を言った」というアラブのことわざの紹介をもってシアム大使は表現し話し始めた。「パレスチナは70年に渡り、イスラエルによって軍事的に占領されています。500万人のパレスチナ人の住んでいるパレスチナの領土は、ヨルダン川西岸もガザもエルサレムも大きな収容所、刑務所のようにされてしまった。この軍事的な占領は国際法違反であり、私たちパレスチナ人を苦しめている。占領はパレスチナ人の日常生活、国境線、陸、海、電気供給、水、食料、医療品、そして人の移動など、生活の全ての局面をコントロールしている」会見のはじめに、シアム大使はパレスチナが長年置かれている状況について話した。

「軍事的な占拠を続けるイスラエルは『自衛』の名の下に日常的に殺戮を行っている。そして抵抗するパレスチナ人は『テロリスト』と呼ばれる。このイスラエルによる偽善はかわらなければいけない。1993年から平和交渉は行われ、2014年の4月の終わりまで私たちは交渉を続けた。イスラエルは囚人を解放することを拒否し、それが交渉の終わりだった。…その後パレスチナはまとまり一つの統一政府となることにした。この政府はアメリカや日本を含む国際社会から歓迎されたが、イスラエル占領軍はパレスチナ人が一つとなることを拒否した。」

イスラエル人の誘拐殺人を
パレスチナ人が行った証拠はない

イスラエル人の誘拐と殺人の起こったとされるエリアCと呼ばれるエリアは、イスラエルの管轄になっている。この誘拐と殺人にパレスチナが関わったという証拠は無く、証明もされていないということをドイツのテレビ番組が22日に放送したが、国際社会はイスラエルの言い分を鵜呑みにしてしまっているとシアム大使は批判した。イスラエル人の誘拐と殺人に関してはパレスチナ側が関わったという証拠が無いにも関わらず、「その後に誘拐された1人のパレスチナ人は、占領下のセキュリティーエリアで、ガソリンを飲まされ、拷問され、生きたまま焼かれた。パレスチナ人だという理由だけで」と民族的な差別と国際社会の対応を非難した。

パレスチナがロケット弾を投げ続ける理由は、70年に渡るイスラエルによる軍事占領に他ならないと大使は言う。イスラエルは抵抗するパレスチナ人を「テロリスト」と呼ぶが、おびただしい数の国際法を違反しているイスラエル軍はCIAによって世界で10番目に強力な軍隊を持っているとランクづけされている。大量破壊兵器の輸出では世界で第8位。そして核兵器の保有でも7位か8位のあたりにランクされていて、パレスチナや他のアラブの国々はこれらのランキングの中には全く入っていない、とシアム大使は明らかな軍事力の差を指摘した。

「ガザの面積は360平方キロメートルで、107万人の人々の住む世界一人口の過密な場所です。そんな場所にイスラエルは、『自衛』の名の下にF16、F15、F22、ヘリコプター、戦車、海軍、陸上部隊が攻撃を加えています。しかし実際、国際法は占領軍が武力を使うことを禁じている。私たちは『ヒューマニティー・コール』を要請している」と大使は言う。
シアム大使は、市民が故意に大量虐殺されている。この責任は私にあり、国際社会にあり、メディアになり、私たち全員にある。アメリカ、ヨーロッパ、国連、どこの報道も皆偏っている。メディアは真実を伝えなければいけない。イスラエルはパレスチナを非植民地化するべきだ。私が欲しいのは、パレスチナ人が威厳を持って暮らすことのできる主権国家だ。食べたいものを食べれて、キレイな水が飲めて、薬が手に入って、子どもを学校に行かせることのできるという権利だ。それはそんなに欲張りな要求ではないはずだ。我々はこの権利を求めてきたが、それはいつまでたっても我々に与えられなかった。我々に何を求めているのか?戦争をしろというのか?我々は戦争はしない。我々パレスチナ人は立ち直ることができる。我々はエルサレムを首都とするパレスチナを建国する。シアム大使はそう締めくくった。

駐日パレスチナ大使が集団的自衛権を語る

会見後の質疑応答で、イスラエルが「自衛」という言葉を使うことを度々批判していたシアム大使に、日本の「集団的自衛権」についてどう思うか質問した。

「自衛」という語り口はたくさんの国によって利用されている。どの国も好きに言葉を使うことはできるが、「自衛」は私にとっては正しい言葉ではない。政府は何でも言いたいことを言うことができる。問題は私たちがそれを受け入れるかどうかだ。私は日本が平和をつくるプロセスで、交渉国として、パートナーとして中立な役割を果たし続けてほしいと願っている。右でも左でもなく、盲目に国際社会を追随するわけでもなく、中立的に平和に貢献してほしいと願っている。心の深いところで、日本は正しい道にすぐに戻ってきてくれるだろうと信じている、とシアム大使は述べた。

Reported by 蜂谷翔子・8BitNews記者

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